予想される神奈川県の地震

93年1月15日の釧路沖地震以降、阪神大震災まで2年間に5つのM7・2〜M8・1級の地震が発生していることは地質学的に平和な時代が終わり、日本列島全体が地震の活動期、まさに大地動乱の時代にはいったという事は確実であろう。

現在、神奈川県はM8以上が予想される東海地震、M7・9の南関東地震、M7級の都市直下型である神奈川県西部地震と少なくとも3つの地震に関して、防災対策地域に指定されている。南関東地域は本州プレートにフィリピン、及び太平洋プレートが潜り込むといった複雑な構造をしており、活断層も多く、大地震が発生しやすい場所なのである。

20年程前、東海巨大地震の発生時期にきていると発表した、石橋克彦さんはその著書『大地動乱の時代』において、当時彼は巨大地震が来る可能性を次のように示した。

12枚のカードがあるとする。3年に1枚ずつ引くと、そのうちの1枚にジョーカー(地震)がある。だから今来てもおかしくはないし、数十年後かもしれない。マスコミはこの事を明日来るとセンセーショナルに扱った。しかし、そのカードは今、6枚しか残っていないのである。また、松田断層で有名な県西部地震(小田原直下型地震)は歴史上かなり正確な周期で繰り返されている地震で、そのⅩデーは1998年4月±3.1年だそうである。どの地震が先に来るか解らないが、県西部地震が先に来た場合それが引さ金となって数年以内に東海地震、そしてM7クラスの首都圏直下型地震が何回か起こる大地震活動期に入り、この活動は相模湾トラフで次の関東巨大地震が発生するまで続くと推定している。

 勿論この石橋氏の県西部地震の発生モデルには、批判的な意見もある。力武東大名誉教授は地震のタイプや震源が違うので必ずしもこの70年周期説を信用しないという。切迫しているのは川崎市直下を震源とする地震で、今後10年以内に40%の確立で、東海地震は35%の確立で起きる可能性があるという。しかし、北伊豆地方の地穀のひずみが、かなり蓄積されていることは事実で小田原から熱海にかけては十分に注意が必要とも言っている。いずれにせよ、ここ数年伊豆半島東方沖の群発地震が多発していることを考えると、安閑としてはいられない。地震の被害状況は季節、時間、曜日、気象条件によりかなり違ってくる事は過去の震災でもあきらかである。そして大地震活動期に入れば復旧体制に入っても、また地震が来るというダブルパンチを

みまわれる可能性がある。石橋氏は現在のような行政の首都圏集中体制では、震災後

あらゆる機能がマヒし、かなりの困難を招くともいっている。また、復興の為、海外の日本資産が一斉に引き上げられ、世界的な経済恐慣が起こるであろうと警告している。

 とにかく、過去日本列島には大地震が何度も繰り返し起きていることは歴史が証明しているのである。

参考文献、資料 石橋克彦著 大地動乱の時代 岩波新書(1994)

        平塚博物館 揺れる大地2 来るべき神奈川県の大地震

        力武常次著 日本各地の地震危険度 サイエンス社

        木村政昭著 日本列島が危ない 二見書房

        朝日、毎日、神奈川新

    天災は忘れたころにやってくる。  寺田虎彦

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