ペットの現実

この文はマザーレイクさんのHPの掲示板にエリさんが書かれていたものです。
エリさんにお願いして、私のHPに掲載させて頂くことになりました。エリさんの思いが多くの人に伝わって欲しいと思います。

*犬猫その他動物を愛する全ての人たちへ*

皆さんこんにちは。エリと申します。
以前他所の掲示板に書き込みしました所、
多くの反響がありました。
此処の管理人のクリさんにもお返事を頂きまして、
この掲示板スペースをお借りしました。
時間があれば多くの方に目を通していただけると嬉しく思います。

2006.1.12日学校で名古屋の動物愛護センターに行ってきました。
私の通っている学校は愛知県で唯一、動物愛護センターの「裏側」を見せてくれる学校です。
(私は動物系・動物看護専攻の学校に通っています。)

これもある熱心な先生が私達に「ペットは可愛いだけじゃない。
今この現実を君達に知ってほしい」と私達の為、
日々活動していただいているお陰で、貴重な体験をすることができました。
前置きが長くなってしまいましたが、今からその体験を話したいと思います。

皆さんは愛護センターの存在はもう知っていると思います。
その名の通り、捕獲された犬や猫を一時捕獲して飼い主を見つけるという仕事をしている施設です。

またその一方で多くの犬猫を処分しています。
(動物はものではないので処分と言う言葉は嫌いですが、
この場は使わせてください。)

その数、平成16年度 (成犬猫・子犬猫 処分数合計)
犬465頭
猫5391頭

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これは愛知県名古屋市での一年間の処分数です。
これが全国各地ならどのくらいの数なのでしょう。かなりの数だと思います。
猫は野良猫は多いので、捕獲数が圧倒的に多いのですが、
犬の場合は殆どが持ち込まれるのです。

全て人間の勝手な理由で。

ですが、その反面、社会復帰するこも多くいます。
社会復帰とは、人懐っこく、伝染病も持っていない、他人に渡譲しても問題がない犬の事です。

係員の人が檻にいる黒ラブは社会復帰に回すと言っていました。
少し要求吠えがありましたが、とても元気で人が好きだからです。

持ち込まれた犬は病気、障害、その他欠点がでなければ、殆どが新しい飼い主の元へ行きます。
子犬がほしい人の倍率も約1.2倍なので、ほぼ子犬は助けられます。

昨日絶対に一般公開しない処分の現場を見せていただきました。
犬が6頭、檻に入れられていました。しかもそのうち4頭が純血の犬。
Mダックス・黒ラブ・シーズー・柴・・・・。

どれも人気犬種です。雑種は2頭。そのうち雑種の1頭の処分が決まっていて、今日処分されているはずです。

檻にはホワイトボードが掲げてあり、黒い文字で持ち込まれた日、
赤い文字で処分をする日、社会復帰できるか否か書かれています。

檻の中様子は、元気な黒ラブ以外全ての犬が大人しかったです。
その目は自分の運命を悟っているようでした。
私が今までに会った犬とは全く違う目です。
人間にうなっている子もいました。

猫についてもお話します。
辛い話ですが、猫は捕獲したらすぐ麻の袋に入れます。
職員の方々も本当はケージに入れてあげたい、ただ毎日捕獲する頭数がかなり多く、
犬より身軽で一つ間違えると逃げていってしまう。
ただ首輪をしている猫は捕獲されません。といっていました。

そして捕まえたらそのままその日のうちに処分機にかけられます。
それも捕まえられたときの麻袋に入れたまま・・

私は4つの袋を見ました。
うち、いくつかは動いていました。
猫は鳴いていました。きっと朝から袋に入れられて鳴いていたのでしょう。
もう声はかすれて、今にも力尽きそうでした。

そして処分機について。
縦1メートル、横2メートルほどの大きさの鉄の箱です。
犬が収容されている檻は動きます。
仕組みで説明すると一日一日、処分機に近づいていきます。
世間一般では狭い所で、しかも集団で..と言うイメージがありますが、
それは間違いです。
かなり広い所(走っていいくらい)に一頭づつ、
もしくは相性のいい犬同士で入れられています。
多くて2頭です。

処分機は二酸化炭素が出る仕組みです。
世間一般に安楽死といっていますが、実際は職員の人達も疑問に思う所があるようです。

なぜなら多くの犬猫たちが、二酸化炭素を吸わせると、もがく前に意識がなくなるというのですが、そうでないものも居るので、
40分ほど気体を出し続けるのだそうです。

処分後、ステンレスのトレイに遺体が出てきます。
トレイの所には、その頭数分だけの段ボールがあります。
その中に入れます。遺体を。
小型や中型の犬たちはそのダンボールに入りますが、
大型犬はどうでしょう・・・。

現在の日本の動物に対する法律(動愛法)は処分をする際、
二酸化炭素か一酸化炭素を使うと定められているといっていました。

そして本来捕獲して3日間は処分してはいけないとこの法律であるのですが、
名古屋市の職員の方たちは飼い主に変換する確率を増やすため、
1週間、もしくは8日は大切に預かっていてくれています。

そして個人的に思った・発言したい事。

私は正直、処分機を見ても殺される彼らたちを見ても、涙は出ませんでした。
本で活字にされている「動物達のレクイエム」などを読むほうがうんと泣けます。
私は大泣きしました。

現場を目の当たりにして涙が出てこなかった理由は、『これが現実』だったからです。

昔の私は「捨てた人が許せない!!かわいそう!!」とただ怒っているだけだったと思います。

今でも飼育放棄した理由を聞くと、責任を感じない、捨てた人が許せないと思っています。

でもその前に、私達人間が今のペットブームを見直す必要があるとおもうのです。
何と言っても、犬に関しては捨てられるのは純血が多いから・・

これから全ての人が犬を迎える際、きちんとほしいと思うのは犬種を勉強する事、
家族構成、近隣環境、しつけはできるのか・・
その他色々な事を検討してほしいと思います。
可愛い!だけで飼うと、「こんなだとは思わなかった」「吠えるから」
と結局無責任な事になります。

そして犬猫の妊娠に「自信を持って管理できない」と思う人には、
避妊・去勢手術をお勧めします。
「健康体にメスを入れるのは・・」と思う人が居るかもしれません。
果たして「全ての人」が生まれた犬猫に責任が持てるでしょうか・・
「全ての人」がそれができないから、持ち込まれる子犬子猫が多いのです。

野良猫にはえさをあげないで下さい。
かわいそうかもしれません。
群れに1匹でもオスが居ると群れのメス猫は一気に子供を産みます。
結局は殺される猫を増やすだけです。
本当に猫が可愛そうで、その猫を飼う気が無いなら何もしないのが一番です。
本当に猫が好きなら厳しさも必要だと思います。
犬に対しても同じ事がいえます。

我が家の向いの方も猫屋敷です。
2匹のメス猫から1年で今は15匹ほどに増えました。
この話を近所のおばさんにした所、さすがおばさんパワー、
近所にこの話を広めてくれました。
猫屋敷の人は話を聞いて責任を感じたのか、
今の所メス猫のみ避妊手術をしてくれたらしいです。

最後に、誤解してほしくないのは、愛護センターの方たちは好きで犬達を捕獲処分しているわけではないこと。
職員の方は皆さんれっきとした名古屋市公務員です。

猫の捕獲を正直に書いたので、行政は酷い思われた方も居ると思います。

誤解しないで下さい。職員の皆さん動物が大好きなのです。
少しでも助けたいと日々とても大変な努力をしている・・
その努力によって年々数は減っています。

凄い伝わってきました、
毎日処分をかけるボタンを押すのがどれほど辛くなれない仕事か・・
処分をする方は3年がこの仕事を続けれる限界だと言っていました。

職員の皆さんは毎日慰霊碑には綺麗なお花をそろえています。
処分した後は一頭一頭綺麗にシャンプーしています。
処分前に広い場所で自由にさせているのも心遣いなんです。

名古屋市では愛護センターでは焼却しません。
名古屋市八事にある動物霊園までもって行き、出棺となります。
職員の方たちは手を合わせます。

それでも職員の方々を誤解する人がいるでしょうか。
自分のペットの死に責任がもてないから、
愛護センターに持ち込むのです。

これ以上哀しい思いをする人々も、動物も増やしてはなりません。
そう思います。

私はまだ未成年で世間の元にはまだまだ無力です。

ねずみ講のようですが、例えば私が3人に話してその3人がまた数人に話してなたその人が・・とくれば、
今のペット事情を知る人はかなり多くなると思いました。
これを読んでくださった方たちが、ご近所・お友達に広めてくださると嬉しく思います。
先生も職員の方々もそれを望んでいました。

処分のことも、ありのままを書きました。
どうか少しでもいいです。
読んでくださった方。
お友達でもいい、機会があればでかまいません、
誰かに少しでも話していただけないでしょうか。

そして愛知県にお住まいの方。
名古屋の愛護センターは4月から愛知県の方に限り、犬を渡譲します。
子犬は雑種の子が多いですが、成犬は純血のこが多く居ます。
渡譲には数々の条件を紙に書かなくてはいけないのですが、
職員の方々がぴったりな子を探してくれます。

そして全国の皆さんに私から伝えられる事が、
自分の愛犬が居なくなったら、真っ先に最寄の保健所に連絡してください。
処分されてから、私の犬が・・・と言う人が多いそうです。

最後にここの掲示板に書き込みしている皆さんは犬達の飼育に熱心でとても尊敬します。
そんな方たちがこれから先沢山になったらいいな、と思っています。

私もまだ勉強が足りません。もっともっと勉強します。

長い文を最後まで読んでくださって本当にありがとうございました。
生意気な事も沢山書きましたが、お許しください。

この先、もっともっとペット業界が改善されますように・・

2006・1・20
*エリ*

p.s.
今我が家には保健所から市を通してもらったGシェパード×柴のMIXのコロが居ます。オス9歳です。
とても人懐っこく、お調子者のところがちょっと困りものです。

エリさん、あなたのような心のやさしい人が増えていけば、良い世の中になるのだと思います。ありがとうございました。 お時間があれば、「いじめ、ニホンザル、マカカフスカタ」と「チャップリンの独裁者・最後の演説」をご覧ください。

カテゴリー: 2006年 過去ログ   タグ:   この投稿のパーマリンク

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